STEMもSTEAMも新しい概念なので,その解釈は様々です。かつては(今も?)プログラミングやってロボットやドローン動かしてたらSTEMみたいなこともありましたが,さすがにそんなことは言われなくなってきました。
「ST EAMやってます」というと,「STEMとSTEAMの違いは?」と質問されることがあります。実ははじめた頃は自分でもよくわかっていませんでした。
数年間実践を重ねてきて見えてきたことは,アウトプットが「作品」であることです。
今まで生徒は先生からの指示に従って「課題」を提出していました。作成する対象は先生です。先生の提示した例や見本を再現することを意識するでしょう。
STEAMでは対象は先生だけではありません。クラスメイトや時には学外の人にも見てもらう可能性があります。対象を意識することで創造性が刺激されます。見てもらうからには面白いことを,人とは違うことを,と考えるようになります。そこで作られたアウトプットは「作品」になります。
教員が考えるのは「こんなものを作りなさい」ではなく,こちらの想定や想像を超えるような作品を作りたくなるようなプロジェクトの設定や提示の仕方になります。
この画像は「30秒の学習動画を作成しよう」というプロジェクトの様子です。次の考査までの範囲でどの教科・科目の単元や項目でもいいので,30秒で内容を解説する動画を作成してもらいます。
最近は自分が作った動画は例として見せていません。全て前年度の先輩が作成した動画です。最初は「こんなの出来るのかな」と思っていても,すぐに「先輩のより面白いものを」「友達よりもわかりやすいものを」と工夫するようになります。
この画像を見ていても,まだ背景となる板書を作っている生徒,説明の原稿をホワイトボードに書き込んでいる生徒,一人で撮影している生徒,グループで撮影している生徒といろいろです。一斉講義型の授業に慣れていると,とても違和感のある画かもしれません。
でも,生徒はそれぞれが活動しています。自分の「作品」を創るために。
STEAMは言葉の定義だけでは不十分です。アウトプットが「作品」となってはじめてSTEAMが成立するのだと思います。
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